弁護士 齋藤 博志(東京エクセル法律事務所)

取扱業務

遺言、相続

遺産を巡って相続人同士の争いや自分亡き後に残される生活の成立ちが気がかりな相続人の存在など気の重い心配事がある場合、遺言書で自分死後の財産行方を定めることで対処することが欠かせないものになってきています。そうでなくとも相続人らが遠方にいる、一部相続人の行方が知れない、相続人の中に認知症の者がいるなどの場合、相続手続きは困難を要するものになりますが、これも遺言があることで簡便なものに解消することができます。

なお、遺言は令和元年の相続法の大改正により大きく様変わりしました。最も重要な改正は遺留分に関して従来は被侵害相続人は侵害相続人の取得財産の持ち分を取得するのから、侵害額の金銭請求に変わったこと、これにより遺言者の遺言はそのとおり実現されえるものとなり、価額的な是正が遺留分侵害額請求としてなしえるにとどまることになった。これにより、特に不動産について遺留分権利者に持ち分権を取得されてしまい、その持ち分権を足掛かりにする遺留分権利者との相続関係の調整が困難になるというネックは基本的に解消された。遺言は遺言者の意思が通用する方向に大きく変わり、より使いやすくなったといえます。

当事務所弁護士は、長年の公証人として遺言作成、相続トラブルに携わった知識、経験から遺言書作成や遺産分割協議書作成等につきアドバイス、提案等を通じて適切な問題解決を手助けしていきたいと思います。

法定後見、任意後見

医学の進歩や化学技術の著しい進展による生活環境の向上が人の寿命を延ばし急激な高齢化をもたらしていますが、高齢化は認知症を不可避に伴います。そして成人である認知症者に対する後見措置もまた不可避になります。

その成年後見に関しては、制度としては被後見人の意思に基づく任意後見が望ましい筈である。しかし、その利用は低迷しており後見としては法定後見が圧倒的に多い。理由は認知度が今に至るも極めて低いこと、切羽詰まった必要がないかぎり面倒そうなことは避けようとする一般の心理にあるようである。しかし、法定後見は本人の意思に基づかない財産管理であるため、財産の処分、運用の幅が狭く、制限される。そのため法定後見では被後見人のために財産を使えない、被後見人の収益財産を効果的に管理運用ができないなどの現状の問題からすると、切羽詰まった必要が起きてやむなく選択の余地なく法定後見を申し立てるより、あらかじめ専門家の支援を得て任意後見契約を結び備える必要がある。

当事務所は、適宜、適切な任意後見の提案、法定後見申立などの支援を通じて、お客様の安心な老後生活の土台作りを手助けします。

信託或いは 親の認知症後の収益不動産管理

昨今、認知症リスクへの備えとして、家族に資産を託す「家族信託」が注目されています。
家族に安心して財産管理や運用を任せることができるからです。
この家族信託は、家族構成や財産の内容に応じてさまざまな契約形態があり、成年後見制度に比べて制約が少ないため、柔軟な資産運用が可能です。

また、家族信託は遺言の機能も持ちあわせているため、終活を見据えての財産管理として利用する方が増加しています。

この家族信託のメリットとしては、先に挙げた終活のみならず、認知症対策として効果が期待できる点にあります。
認知症になった場合、銀行に口座を凍結されてしまう可能性がありますが、事前に財産を家族に託すことで認知症になった場合でも、財産の管理運用がなされるのです。
さらに、成年後見制度では、信託者に対して毎月一定の報酬を支払う必要がありますが、家族信託では必要ないため、低いコストで財産管理をしてもらうことができる面があります。

例えば、老衰が目立つようになった親の有するアパート等の収益財産の子による適宜適切な管理運用等のため親が認知症により判断能力を失う前に(そうでないと信託契約が結べなくなる)、親と契約して信託を組成することが望ましい場合もある。信託は財産管理方法としては自由度が非常に高く、管理を任された者に対する制約が少ないため、法定後見はもちろん、任意後見でも対応が難しい賃貸アパート、マンション経営(適宜の改築、修繕、模様替え、賃貸借契約への即応)に対応できる。ただ、家族信託は専門を自称する士業の方の間で要所要所について百家争鳴状態にある。公証人として経験した、持ち込まれた案件には構成として早晩立ちいかなくなることが予想されたり、柔軟性を発揮して永続性を発揮すべき信託のその条項が混乱と停滞をもたらすようなものがあったりして内容について再考を願うことも多くあった。また信託は相当長期の存続、運営を前提とするため、信託金融資産の管理運用、或いは金融機関から事業関係の融資を受ける等のために金融機関での信託口口座の開設が必須となってきており、金融機関は信託口口座開設の審査を強めている現状にある。信託のため必須の信託口口座開設のためにも専門家の支援が必要となるが、当事務所は、公証人として長年、多数の信託公正証書作成をしてきた経験を基に信託を望まれる方の手助け、対応が十分にできると考えている。

なお、信託は例えば父親の財産から不動産や金銭を切り出して息子に預け、所有者としての権限を与えて管理させるというものであるが、預けた、つまり信託した財産以外は息子の権限外であるから、父親の入院、施設への入手契約などは信託で賄うことはできず、後見で対処することになる。この後見と信託の関係もまた複雑である。この関係については、後掲の私が説明を試みてみた「後見と信託」を参照してみてください。

弁護士 齋藤 博志(東京エクセル法律事務所)では、家族信託に関するご相談を承っております。
家族信託に関して、利用方法や仕組みなど、疑問点や不安な点がある方は、弁護士 齋藤 博志(東京エクセル法律事務所)にご相談ください。